『WORK 価値ある人材こそ生き残る』第1回

仕事のモチベーションはいったん忘れる…自分の市場価値を上げるために大事なこと

仕事のモチベーションはいったん忘れる…自分の市場価値を上げるために大事なこと

SNSで転職や副業に関するテーマを中心に発信し、Twitterフォロワー12万を超えるmoto(戸塚俊介)さんによる『WORK 価値ある人材こそ生き残る』(日経BP)が1月に発売されました。

「本当に『安定』した働き方は?」をテーマに、どの会社にいようとも、フリーランスでも、市場価値の高い仕事ができる人間になるための70の考え方や方法がつづられています。

新刊の発売を記念してウートピでは本書の一部を抜粋してお届けします。全4回。

仕事にモチベーションを求めない

「自分の仕事のモチベーションを上げたい」という言葉をけっこう聞きます。しかし、自分のモチベーションのことはいったん忘れたほうが、自分の市場価値は上がります。

「自分のやる気」に振り回されてしまうと、仕事の成果にバラツキが出てしまうからです。「相手にどんな価値を提供できるか?」に集中するのが大切です。モチベーションに目を向けるのではなく、目の前の顧客に対して「自分の介在価値」を高めていきましょう。 それが自然とモチベーションになっていきます。

自分の市場価値を高めていくために、確実にこの視点は持っておきましょう。

思い返してみると、私も仕事に「やらされ感」があるときは仕事へのモチベーションというものを考えていましたが、自分の価値を上げるために仕事をするようになってからは、この言葉は出てこなくなりました。

自分の価値を上げるためには、誰かに設定された目標をこなしても意味がありません。それはやらされ仕事です。代わりに自分自身で課題や目標を設定し、それを達成するための行動をする必要があります。

私は以前、企業から講演を依頼されたときに、やりたくないために「1時間100万円ならやります」と返答したら「それでお願いします」と言われてしまい、講演を引き受けることになってしまったことがあります。「受注してしまった……」と内心汗をかきましたが、こうなると「この期待にどう応えるか」「自分にはどんな価値が提供できるか」を考えることに集中せざるをえません。
 
60分の講演で100万円は、やはりプレッシャーがあり、自分にモチベーションがあるかないかより、相手に満足してもらえる状態を作ることに必死になります。

「自分のモチベーションより、相手に満足してもらうようにすることが、さらに自分の価値をつくる」ことを覚えておいてください。

モチベーションより「仕事の意識」を持つ

さきほどもお話ししましたが、仕事の「モチベーション」は気分なので頼りになりません。むしろ、「仕事をしているという意識」を持つことが大切です。

「お金をもらって働いている」と思うことは何より大切です。まず、自分の役割は果たさなければなりません。自分のモチベーションなどと自分中心に考えてしまうと、気分がすぐ仕事に影響してしまい、自分だけでなく、お客さんにとってもよくありません。

質の高い仕事をするためには、「仕事だからきちんとする」とまずマインドをセットすることが大切です。

僕がホームセンターで働いていたとき、ものすごく仕事ができるパートさんがいました。社長や常務も、お店に立ち寄ったときは必ず彼女に声をかけていました。それくらい信頼されていたのです。

彼女は顔を合わせる度に冗談半分で「今日は仕事する気分じゃない」とか、「もっと時給上げてほしいわ」と言っていました。

しかしそんなことを言いながらも、いざ仕事になると、彼女は誰よりもきちんとこなしていました。彼女の口癖は「仕事は嫌だけど、お金をもらっている以上、お店とお客さんのために役割は果たさなきゃね」でした。

私が失恋して、仕事が全然手につかなかったときには「あんたのプライベートなんて、お客さんにもあたしにも関係ない。お客さんにとっては、目の前のあなたの接客がすべてなんだから、きちんと仕事と向き合いなさい」と怒られたものです。

これはとても本質的なことです。接客に波があるお店なんて誰も来ませんよね。

もちろん、人間である以上、気分を一定に保つのは難しいです。でも、まずは目の前の仕事に意識を向けようと思うこと。目の前のお客さんに対して自分ができることをする、というのが最も基本です。

※記事は水金更新です。

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